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増えるトラックのトラブル 「20年前のトラックの方が優れている」(2020/12/27)


排ガス規制で敏感に反応するチェックランプ


 「トラックの出動件数は最近多い」と話すロードサービス業者。環境問題が世界的に重要視される中、国内のトラックメーカーは大排気量のエンジンから小排気量のエンジンへ、いわゆる「ダウンサイジング」するなど排ガス規制に沿った車種を製造しているが、現場では故障、トラブルが多発しているようだ。


 故障、トラブルの実態について、A社の社長は次のように話す。
「コンピュータのトラブルが多い。コンピュータの精度が上がりすぎて、マフラー等に少しでもホコリが付着すると、センサーが反応して赤ランプが点滅する。赤ランプが点滅すると、徐々にスピードダウンして、停車せざるを得なくなる。高速道路で停まったら、レッカー移動せざるを得ない」
同社では、トラック1台分の収益が修繕費でなくなることもあるといい、トラックの修繕費は大幅に上がっているという。
国内では1966年から自動車の排出ガス規制を開始して、年々強化している。2005年にはガソリン車、ディーゼル車ともに排出ガス試験法を見直し、平成17年規制(新長期規制)を実施し、2008年には平成21年規制(ポスト新長期規制)を実施。
2015年にはディーゼル重量車の排出基準の強化を実施し、排出ガスのさらなる低減を図っている。

ディーラー関係者は・・・
「ここ10年、トラックのトラブルはアドブルー系(尿素)、マフラーの燃焼システム絡みが一番多い。排ガス、燃費についてセンサーが敏感に反応している。
エンジンそのものをつぶさないためにセンサーがついて、コンピュータが判断して車を走らせないようにしている。
マフラーの燃焼システムでは、ススが溜まってマフラーが目詰まりして焼けなくなるとチェックランプが点く。地場走行が多いと、一定の温度まで上がらず、ススが焼き切れないことがある。4トン車は2トン車並みのエンジンを積んでいる。 
エンジンが小さいので、エンジンの燃焼温度が上がらない。すると、ススが溜まってくる」
チェックランプの精度も完璧なものではないと説明する。
「必ずしもセンサーが100%正しい判断ではなく、おかしなエラーを拾うこともある。マフラーにほこりが入ったりして反応することもある。アドブルーにも色んな種類がある。純正ではないものもあり、それにチェックランプが反応することもある。メーカーが推奨しないLED電球で、チェックランプが点くこともある」
チェックランプの点いたトラックはディーラーの整備工場に持ち込まれるが、ディーラーでないと治らないケースは多い。町工場ではシステム面で対応できないからだ。そのため、どこのディーラーの工場も込み合っている状態が多いという。


トラックに詳しい専門家は、「そもそも排ガスの規制に無理がある。今のトラックは新車を購入しても半年、1年も経たないうちにトラブルが起こる。エンジンが小さくなっており、ターボをつけてパワーを補っているが、それで故障コードが多くなっている。
排ガス規制の識別番号『KL』ではトラブルは一切ない。平成16年までの車はトラブルがない。つまり15年20年前のトラックの方が優れているということだ。今のトラックは当たり外れがある。全く同じトラックでも、最初から故障しやすいものもあれば、そうでないものもある。要するに、故障は運もあるのが実情。だから、運転手は最近のトラックに乗りたがらない」