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「事業継続力強化計画」認定とは?(2021/09/14)


経産省が認定


防災・減災のための取り組みを認定


 大規模な自然災害の発生や感染症の拡大によって防災・減災意識が高まり、 事業継続計画(BCP)への注目が高まっている。
BCPとは、企業が自然災害や大火災などの緊急事態に遭遇した場合、損害を最小限にとどめつつ事業を継続または早期復旧するため、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画だ。
「事業継続力強化計画」の認定制度というのをご存知であろうか。
2019年7月に経済産業大臣が認定する制度が成立した。制度開始から1年後の昨年6月末、全国の認定件数は1万451件。今年5月末には2万7648件と、年々認定件数が増えている。
「事業継続力強化計画」に記載する主な項目は、
●ハザードマップなどを活用した、自社の拠点の自然災害リスク認識と被害想定
●災害時の初動対応の手順(安否確認・被害の確認・避難の実施方法など)
●ヒト・モノ・カネ・情報を災害から守るための具体的な対策
●訓練実施、計画の見直しなど計画の実効性を確保するための取組 など
 申請手続きは、申請書(中小企業庁HPからダウンロード)、チェックシートなどを経済産業局に郵送する。申請から認定までは、45日ほどかかる。費用はほとんどかからない。
 認定を受ける主なメリットは、
●低利融資、信用保証枠の拡大などの金融支援
●防災・減災設備に対する税制措置
●補助金(ものづくり補助金等)の優先採択
●連携企業や地方自治体等からの支援措置
 中小企業庁によると、「BCP」は細かくマニュアル化する必要があってハードルが高いため、普及率が低く、2019年に、「BCPの簡易版」という位置づけで「事業継続力強化計画」が成立した。
 具体的な取り組みについて書くので、いざという時、何をすべきかが、よりイメージしやすい内容になっており、2020年10月からは、感染症対策に関する事業継続力強化計画の認定もスタートした。
 今年2月に認定を取得した大阪府堺市の運送会社、㈱大木組の大木淑弘社長は、「BCP計画を策定したいと考えていたところ、この制度を知り、コンサルタントの指導を受け、認定を受けた。今後は、机上の計画にとどまらず地元商工会による実施訓練の指導を受け、より中身のある計画にしていきたい」と話している。
この認定制度は、国土交通省の管轄下にはないため運送業界では知られていないが、荷主企業に対して安心安全を担保する観点からも注目されそうだ。

【写真】大木組事務所に置かれている事業継続力強化計画認定書