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フォーク事故 前年比3・6%増 EC関連の荷物取り扱い量の増加が関係(2022/01/09)
1―9月 厚労省労災発生状況
フォーク事故防ぐ製品の活用も
厚生労働省発表しの「労働災害発生状況」によると、昨年1月から9月までのフォークリフトに起因する死傷事故発生件数は、前年同期比3・6%増の1355件だった。
厚生労働省安全衛生部によると、事故の約7割が「はさまれ、巻き込まれ、激突され」といった接触事故で、こうした状況は長年にわたり続いているという。
関係者によると、昨今のEC関連の荷物取り扱い量の増加が関係している可能性は否定できないようだ。
労働安全衛生法や労働安全衛生規則では、フォークリフトに危険防止措置を講じるよう定めている。違反した場合の罰則は「6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっている。
フォークリフトの事故防止の取り組みには、講習やセミナーといった運転者の啓発活動だけでなく、警報やセンサーなど安全装置の取り付け等も含まれる。
事故防止装置として現在販売されている主な製品には、接近感知センサー、LEDラインライト、人・物・車両検知カメラなどがある。
「接近感知センサー」は、フォークリフトに作業員が近づいた場合、警報が鳴る装置だ。作業員は腕やヘルメットにICタグを装着しており、このICタグが、リフトに取り付けられた装置から放出される磁界(電波)に反応し、警報が鳴る。
虫や鳥にも反応するといった誤作動がなく、壁や柱、棚など導線上の死角となる箇所での接触事故を防ぐことができる。
「LEDラインライト」は、リフトの進行方向や旋回範囲の床面にLEDライトの光線が投影されるもの。作業員は、騒音で警報が聞こえにくい場所でも、リフトの接近を察知することができる。
「人・物・車両検知カメラ」は、リフトに取り付けられたカメラが、作業員や荷物を検知し、未然に接触事故を防ぐ。検知カメラはリフトのアクセルやブレーキなどの制動装置と連動しており、運転者の警報の聞き漏らしによる事故も防ぐことができる。
カメラのAIが人や物を自動で識別するため、作業員はICタグなどを装着する必要もない。
これらの製品は、いずれも、工場、倉庫、運送会社などへの導入実績があり、事故防止に関して一定の成果を上げており、導入を検討する価値はありそうだ。
【写真】PCS㈱の「LEDラインライト」 床面にLEDライトの光線が投影