本文へスキップ

電話でのお問い合わせは072-882-6258

〒571-0079 大阪府門真市野里町31-15

トピックスitiran

全社員に禁煙を推進  愛知県・大橋運輸(2022/01/23)


管理栄養士が中心となり、研修を実施


喫煙率2021年33%と大幅減少


愛知県瀬戸市の大橋運輸㈱(鍋嶋洋行社長)は、禁煙推進活動に取り組んでいる。同社が禁煙を推進するきっかけとなったのは、23年前に鍋嶋氏が社長に就任したころ、タバコを吸っていた社員が肺がんで亡くなったことだ。当時は喫煙者がとても多く、事務所にはタバコの煙が立ち込めていた。
 鍋嶋社長は社員の健康を守り、長く安全に働ける環境を作るために、会社として禁煙を推進することを決め、現在、次のような方法で禁煙をサポートしている。
 まず、入社説明会の際に喫煙の有無を確認し、吸っている場合は、タバコが本人や周りの人にもたらす健康被害について説明。その際、タバコを止めるよう説得するため禁煙を決意する人や、タバコの本数を減らす目標を立てる人が出てくるという。
 次に、同社で管理栄養士として採用した社員が中心となり、健康にまつわる知識を身につけるための研修を行う。太さんは、禁煙中の悩みを積極的に聞いたり、タバコに代わるストレス解消法をアドバイスしたりしている。
 また、健康関する情報を発信する社内LINEで禁煙のコツを伝授し、健康を題材にしたアニメを見てもらうなど、楽しみながら健康意識を高めてもらうよう工夫している。
さらに、禁煙外来を利用する場合、受診料の一部を補助するほか、経過時期に応じて一人ひとりに合わせたアドバイスや応援のメッセージを送る。
 社員がタバコを止めると決めたら「禁煙宣言」を行う。禁煙を開始し、30日・60日・100日達成時に社内報に記事を掲載し、さらに100日間の禁煙を達成した社員には表彰状と副賞を贈ることで、モチベーションアップにつなげている。
そして、タバコを止めて1年が経過したら、「禁煙成功」を認める。
 「禁煙成功」と認定された翌月からは、「健康手当」が毎月支給される。なお、非喫煙者の社員には、はじめから健康手当は支給している。
 これらのサポートにより、喫煙者の割合は、2013年に55%だったのが、2021年には33%まで下がった。また、同社では2025年2月より、禁煙者(非喫煙者)もしくは、喫煙者であっても禁煙を約束した人を採用する「禁煙採用」を始める。
 鍋嶋社長は、「喫煙による年間死亡者数の1割以上が、受動喫煙の影響で命を落としているという方向がある。近年、健康起因事故の増加が問題となる中で、運輸業界では安全運転の習慣が重視されているが、健康面でも良い習慣を身につけることが事故防止につながると考えている。今後も禁煙のほか、多方面から社員の健康をサポートすることで、在職中だけでなく、定年後も元気に過ごしてもらうことを目標にしている」と話している。


【写真】禁煙に成功したドライバーを表彰