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自転車で飲酒運転 大型免許取り消しも(2022/02/06)


「酒気帯び運転」は車両の大小関係なし


 昨年10月12日、神奈川県相模原市の市道でトラックがフォークリフトに当て逃げされる事故が発生した。警察が当て逃げしたフォークリフトの運転手を調べたところ、男の呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたため、警察は道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で男を現行犯逮捕した。男はフォークリフトの運転前に、500ミリリットルの缶ビール2本を飲んでいたという。
 今回、ナンバープレートが無いフォークリフトによる飲酒運転であった。神奈川県警によると、「道路交通法には『何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない』とあり、自転車やフォークリフトのようなナンバープレートの無い車両でも、酒気帯び運転すれば道交法違反になる」と説明する。
 道交法第103条では、「自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがある」と判断された場合、運転免許が停止・取り消しになると定めている。
 ここでいう「車両等」や「自動車等」には、自転車のような小さいものから路面電車のような大きなものまで、車両と認められるものすべてが含まれるが、例えば、大型トラックの運転手が自転車を飲酒運転で検挙された場合、所有している大型自動車免許が停止や取り消しの対象になる。
 酒気帯び運転の場合、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、酒酔い運転の場合「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」となり、免許の取り消し期間は、酒気帯び運転で2年、酒酔い運転で3年。プロ運転手にとっては致命傷となる長さだ。
ちなみに、これは事故を起こしていない場合である。飲酒運転で人身事故を起こせば、危険運転致死傷罪や過失運転致死傷罪になり、さらに重い罰則が科される。
 公道ではなく、工場や倉庫内でフォークリフトを飲酒運転した場合はどうなるのか。
神奈川県警の話では、「工場の敷地内などは道交法による取り締まりの対象外だが、フォークリフトの飲酒運転が法令違反であることに変わりない。労働基準監督署から書類送検される」とのこと。したがって、裁判所の判断により、運転免許が停止・取り消しの処分を受けることになる。
 神奈川労働局によると、「労働安全衛生法で事業者は機械・設備に危険防止措置を講じるよう定められており、リフトの飲酒運転は、これに違反している」と説明。つまり、フォークリフトの飲酒運転を防げなかったということで、会社も責任を問われることになる。罰則は「6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっている。


 【写真】酒気帯び運転の場合、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に!