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指差呼称で「集中状態」つくり、事故をなくす(2022/06/19)
TM安全企画・丸山氏
指差呼称についてのセミナー
物流現場における安全教育コンサルタントを務める安全TM安全企画(滋賀県大津市)の丸山利明社長は、㈱アンティ大阪営業所(大阪府茨木市)で行なわれた安全衛生会議の中で指差呼称についてのセミナーを行った。
財団法人鉄道総合技術研究所で行われた実験では、指差呼称による集中力増加が確認されている。モニターに出てくる赤や緑などの色に合わせて同じ色のボタンを押す実験を100回繰り返した場合、指差呼称をしながら押すと誤反応率が通常の約6分の1になったという。
もともと指差呼称は日本国有鉄道の運転士が行なう信号確認から始めた安全確認方法で、JRでは今でも事故を確実になくすために指差呼称を徹底している。
丸山氏は、「指差呼称を取り入れても、指差呼称をしなくなる理由として、基本動作が多すぎる、仕事が忙しい、お客さんが見ていないからなどの理由があげられる。基本動作が多すぎる問題は、絶対に指差呼称をしてもらいたいものを1つだけに絞って指示すれば回避できる。
たとえば、倉庫内での人とリフトの接触事故をなくすことを目的とするなら、倉庫内のリフト作業者は移動時に『人ヨシ』という確認だけは必ずするといった決め事をあらかじめ決めておくと、指差呼称を習慣づけやすくなる。
また、お客さんが来ている時に指差呼称の様子を見せることは品質アピールの他、リスクヘッジの効果もあるが、指差呼称はもともと確認する本人の身の安全のために行うもの。このことを従業員に分かってもらわなければ、人が見ていないとやらなくなってしまう。まずは指差呼称の必要性を十分理解してもらうことが大切」と話していた。
【写真】セミナーを行なう丸山社長