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「ひさし」の長さに関する規制が緩和(2023/05/07)


建築面積に算入されないひさしの範囲


倉庫の端から「1mまで」が「5mまで」に


 今年4月から倉庫に設置される「ひさし」の長さに関する規制が緩和された。建築基準法施行令の一部を改正する政令が改正されたが、倉庫の「建ぺい率」が見直され、建築面積に算入されないひさしの範囲が、従来の「倉庫の端(外壁)から1mまで」から「5mまで」に緩和された。
 建築基準法では、建物の日当たりや風通しを良くしたり、火災時の延焼を防ぐため、建物の土地境界線と外部の建物との間に一定の空き地を確保するよう定めている。
 敷地面積に対する建築面積の割合のことを「建ぺい率」と呼ぶが、例えば、建ぺい率50%の土地が100㎡ある場合、その土地には建築面積50㎡の建物しか建てられない。
 倉庫に大型のひさしがあれば、雨の日でもひさしの下で荷物が積み降ろしできる。倉庫の生産性を上げるには、ひさしは長くした方が良いが、倉庫の端から1メートルを超える部分は建築面積(=倉庫部分)となり、建ぺい率に算入されてしまうため、今まで大きなひさしの設置を控える事業者が多かった。
 2021年5月、日本倉庫協会は国に対し、「営業倉庫に設置される『ひさし』に係る部分の軽ぺい率・容積率の緩和」などの要望書を提出した。
 日本倉庫協会は「大型のひさしは、雨天時における荷さばき以外にも、災害時に緊急支援物資を一時的に仮置するといった役割を果たせる」と指摘し、ひさしの長さの緩和を求めていた。
 見直し(規制緩和)の対象となるのは、「工場または倉庫の用途に供する建築物で、もっぱら貨物の積卸し等の業務のために設けられるひさし」。敷地境界線との間に空地を確保するなど、要件を満たす倉庫のひさしの長さについて、従来、倉庫端から1mだったものを、倉庫端から5mまでは建築面積に算入しないこととし、建ぺい率の制限を緩和した。
 4月以降に新設される倉庫のひさしだけでなく、既設の倉庫のひさしも、規制緩和の対象となる。(5月1日号)