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WMS取り入れ、業績が好転 ジェイカス(2023/09/10)


10年前の米国視察が転機


 ジェイカス㈱(加賀澤一社長、兵庫県西宮市)の転機は今から10年前。「30年後の未来を見に行きませんか?」と、コンサル会社の海外での先進物流企業視察であった。
降り立った地はアメリカ・テネシー州の都市メンフィス。メンフィスは大手物流会社フェデックスの本拠地でもある。ロジスティクス産業のハブであり、香港に次ぐ世界第2位の規模の貨物空港を持ち、多くの物流企業が集まる。
 そこで加賀澤社長が見たものは、徹底した効率化と合理化した、ほとんど無人の巨大倉庫で、隅々まで機械化し、個々が一定の秩序、体系をもち、組織された最新の現場だった。
 視察で衝撃を受けた加賀澤社長は帰国後に、「モノの流れを整理整頓する」というミッションを掲げ、運送業を専業としていたが、2003年に倉庫業に着手した。
そして、アメリカ視察で見たWMSというシステムを他社からレンタルした。
WMSは、物流センター内の一連の作業、入荷・在庫・流通加工・帳票類の発行・出荷・棚卸などを効率化し、一元的に管理する「倉庫管理システム」である。
 そこからWMSを自社で開発し、何度も組み直しを図り精度を上げ、荷主とWMSをつなげて在庫管理が効率化できるようになった。
データを数値化し分析し、「この商品の回転率悪いですよ。この商品が動いていますよ」というふうに荷主に対して生産効率をあげて最適化をはかるよう提案が出来るようになった。
 さらに、港に隣接した立地を活かした自社倉庫でも、WMSを生かし、一時保管から仕分け、流通加工から配送までをワンストップで展開し、業績を伸ばしていった。
すると、調達、製造、在庫管理、配送、販売、などのサプライチェーンについて、一堂に会して情報を開示し合う戦略計画会議で発言を求められるまでになった。
 加賀澤社長は、「大事なのは、荷主と共に闘う、パートナーとして皆で知恵を絞るという姿勢。物流は今一番厳しい業界だが、だからこそ挑戦しかない」と話す。
今期は、事業再構築補助金を利用し、9000万円かけてクラウドのWMSを組み直すと計画を話した。(9月4日号)