乗務員のサングラス着用ＯＫに　 両備ＨＤ（2023/09/18）

視認性向上と疲労軽減のため


　乗客「良くない」は３％


　両備ホールディングス㈱は、８月１日より、乗務員の運転環境の向上を目的に、両備バス・中国バス・井笠バス・東備バスの乗務員が偏光サングラスをかけて乗務を開始したと発表した。
　これは、４月24日から５月21日まで行なった実証実験の中で集めた乗客の声、実際に着用して乗務を行なった乗務員からの声を反映して決定した。
大型バスでは、通常はサンバイザーや日よけスクリーンで運転時の直射日光および反射光のまぶしさを軽減しているが、これらは大きなフロントガラスやサイドミラーの全てを覆うことはできず、西日が強い日などは、乗務員は運転時のまぶしさを感じながら乗務し、負担となっていた。
　そこで、乗務員が偏光サングラスをかけて運転し、色覚への影響、まぶしさの軽減、乗客の印象などを調査する実証実験を両備バスと中国バスにおいて実施。実験には、のべ29人の乗務員が参加し、１１３人の乗客から回答を得た。
アンケートの結果は、乗務員のサングラス着用についての印象について、「良い」は55％、「どちらでもない」は42％、「良くない」は３％だった。
乗務員が使用した感想は、９割の社員が着用後の視認性、使用感の良さや疲労感軽減を評価した。
　乗客からは、「眩しくてよく見えないときが自分もあるので、特に問題ないと思います」「大事な運転をして下さっている運転手の目を守る為なら、サングラスはしてもよいと思います」「特に気にしません」といった声が聞かれ、乗務員からは、「通常より疲労感が少なくて、快適に運行できた」「朝日に向かっても眩しくなく、バイザーなしでも快適だった」「対向車からの反射する太陽光を防げてとてもよかった」といった声が寄せられた。
　同社では、「サングラスを着用しての乗務は多くのお客様が不快を感じることはなく、実際に着用した乗務員からも好評だったので、会社として乗務時のサングラス着用を認めることにしました。乗務員のより安全な運転環境のために視認性向上と疲労軽減を図っていきます」と話している。
着用時間は、日の出から日没までの間で、着用可能場所は運転席としている。乗務員のうち希望者のみが着用する。（９月18日号）


【写真】サングラスをかけて運転する乗務員