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健康経営で人材確保   サイショウ・エクスプレス(2024/01/21)


応募者の9割 志望動機に健康経営



イベントや建築関連の資材を運ぶサイショウ・エクスプレス㈱(齋藤敦士社長、東京都、36名)が健康経営を始めたきっかけは、ドライバーに大腸がん、胃がん、大動脈解離など大きな病気が続いたことだった。
 新聞で従業員の健康サポートについて知った斎藤社長は、セミナーなどで知見を深め、健康経営の取り組みを始めた。血圧計の設置やウォーキング活動など、なるべくお金をかけない方法を模索したが、あまり効果がみられず半年ほどで限界を感じた。 
 そこで保険会社の担当者から健康管理士を紹介してもらい、現在、健康管理士と産業医を含めたチームで従業員の心身の健康をサポートしている。
健康管理士との個人面談を年に1回以上実施し、専門家による健康講習会も実施している。

 健康診断の受診率は当初6割ほどだったが、声掛けを続けて100%に引き上げた。受診データから従業員の健康課題を洗い出すと高血圧、脂質異常症、高コレステロール血症、糖尿病、腰痛などが多いことがわかった。
 ドライバーは大きな駐車場のあるコンビニや飲食店に行くことが多いが、栄養が偏りがちなことから、管理栄養士による「コンビニ食の選び方」講習会を実施。また、「歯の健康」講習会や、禁煙専門家の講習会も行っている。
 禁煙対策にも力を入れ、2018年に全車両を禁煙にした。敷地内も全面禁煙にしたが、敷地外で喫煙してしまうため、受動喫煙を防ぐ効果のある加熱式たばこ専用の喫煙スペースを設けた。

 コロナ禍の2021年、5分間の「サイショウエクササイズ」を考案している。「東京都スポーツ推進企業」の専門家派遣制度を活用し、トレーナーにトラックの中を見てもらい作ったもので、トラックの運転席でも行える。ミーティングや研修前など月に1、2回対面で実施している。
「サイショウエクササイズ」について齋藤社長は、「健診結果から従業員の歩数が少ないことがわかり、コロナ禍で体重やストレス値が高くなっていたので、運動でストレス解消や体重を落とせる仕組みがあれば面白いと思って取り組んだ」と話す。
同社では2018年以来、再検査受診率100%を維持している。再検査の対象者は6割から3~4割に下がり、治療が必要な人も通院しながらコントロールできているので、倒れて入院することはない。

 健康経営を始めて3年ほどで、9割以上の従業員の賛同を得られるようになった。
齋藤社長は、「健康経営の最大の強みは、運送業界全体が人手不足のなか新しい人材を確保できること。2022年は7名採用した。2023年は40名の応募があり前年同様7名採用したが、採用広告費は前年と比べて半減した。応募者の9割以上が志望動機に健康経営を挙げている」と話している。(1月15日号)

【写真】5分間の「サイショウエクササイズ」を考案