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繁忙地域へタクシーを派遣   国内初の試み「ニセコモデル」(2024/03/24)


オーバーツーリズム解消狙う


 北海道ハイヤー協会、倶知安町(くっちゃんちょう)、ニセコ町、GO㈱(東京都)は、北海道のリゾート地「ニセコエリア」における冬季期間のオーバーツーリズム(キャパシティ以上の観光客が押し寄せること)による交通課題の解決として、車両や乗務員を他の地域から派遣する実証実験を行った。「ニセコモデル」というこの取り組みは⽇本初の試み。3月19日まで行われた。

 繁忙期の観光地ではタクシーの台数に対し需要が大幅に高まることで、地元住民や観光客がタクシーに乗ることができない問題が起こっている。ニセコ町や倶知安町をはじめとするニセコエリアは、世界各地から多くの観光客が訪れる人気エリアだが、同地域では10年前から観光シーズンにおけるタクシー不足が問題となっていた。
 特に多かったのはホテルに宿泊している観光客がタクシーに乗れないケースで、冬場のホテルはロビーに人があふれ、タクシーが捕まらないという状況だ。
 コロナ禍で一旦は落ち着いていたが、インバウンド需要の復活と、コロナ禍によるタクシー事業者の撤退や人員削減が重なり、深刻なタクシー不足の問題に直面した。
 倶知安町とニセコ町、北海道ハイヤー協会、タクシーアプリ「GO」を提供するGOは、北海道運輸局が音頭を取る形で協議会を開催し、地元のタクシー事業者や観光協会も交え「ニセコモデル」の実施に向けた枠組みを作り、昨年12月18日から「ニセコモデル」の実証実験を開始した。

 ニセコエリアへは札幌・東京の8社(北海道=北びしハイヤー㈱、興亜第⼀交通㈱、新雪交通㈱、ダイコク交通㈱、東邦交通㈱、はまなす交通㈱、明星⾃動⾞㈱、東京=⽇本交通㈱)から車両11台と運転手25名が派遣された。
 利用者は観光客を想定し、料金は通常の運行料金にプラス900円の手数料がかかる。派遣された⾞両はニセコエリア内の発着となるタクシーアプリ「GO」からの注⽂のみで営業を実施した。
 今回の実証実験では、インバウンドや地元住⺠の移動体験についてのヒアリングし、地元事業者の稼働や収益状況を踏まえ、事業の継続可能性を検証していく。

 GOは1月19日に「ニセコモデル」の取り組みについて、運行開始から1か月で計6000件、1日あたり180件の乗車があったと発表。 また、ニセコモデル利用客の8割以上がリピーターで、滞在中複数回の利用により、ニセコで「GO」を使う行動様式が定着しているとした。(3月18日号)

 【写真】派遣されたタクシー