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平車に追い風吹いている? 大阪の平専門の運送会社、現状を語る(2024/08/16)
「片道で往復運賃もらえる日も」
大阪にある平車専門の運送会社では、現在求人募集はかけていない。従業員が知り合いを連れてくるケースが多い。社長は、「知り合いを呼んできて入社させても自分の顔がつぶれない程度には、賃金・福利厚生は従業員満足度が高いと言える」そう話す背景には運賃が適正に収受できていることが大きいという。適正運賃収受について話してくれた。
弊社の配車マンは、自分のような昔の運賃相場に縛られているような人間からすれば、とても考えられない運賃をお客さんに提示し、交渉のテーブルに乗せている。
その若い配車マンは『会社も儲からないしドライバーへ給料も払えないから』と言っていたが、今思えば平車が少なくなって、運賃相場が上がっていくというタイミングが良かった。
交渉相手もだんだん納得し、取引も安定していったので、そこからあまり私も口出ししなくなった。
弊社のお客さんには当日オーダーのところもチラホラいる。今日積んで明日どこどこへっていうのをギリギリになって言ってくる。午前中に今日の配車はこれで完成、と組み上がっていても、昼一に『これ行ける?』と当日オーダーが入ったりする。
でも、「無理」と言えば他所にその仕事が流れ、そこでお客さんと他所の運送会社との接点が生まれてしまう。なので、配車マンは、「どうにかします」と返事して組み上がっていた配車をもう一回ひっくり返して組み直す。
オーダーが2日も3日も前から言ってきてくれるようなお客さんばかりなら、配車の仕事は昼から暇というケースもあるだろうが、弊社は突発的なオーダーにも対応し、多少の無理は聞く。
荷主さんからすれば使い勝手が良いし、重宝がられている。逆に言えばそんな仕事のスタイルなので金額の部分も強気に言える。「行けますが、割増かかりますよ」とか。
その荷物を積みに行こうとすれば、「今、車はここにいるので高速に乗って行かせなければ」とか言える。お客さんも無理を言ってるのを分かっているので要求をのんでくれる。
以前、あまり取引の無い会社からオーダーがあったが、『お宅の運賃高いですね!』と言われた。しかし、その会社はそれまで水屋に仕事を回していたが、水屋も忙しくなると車が確保できなくなり、何度か穴を開けられたらしい。
それで、弊社の配車マンに「どうにかしてくれ」と泣きついてきたのだが、『以前お伝えした通り、弊社は高いかもしれないがきっちり仕事はやりきります』と言ったら、そこからその会社は水屋との取引を止め、弊社に直接仕事を持ってくるようになった。
2024年問題であるが、弊社はほぼ解決している。長距離に少し課題があるが、それは往復運賃をもらえればクリアできる。今は帰り便の荷物を探して空で帰らないようにしているが、往復の運賃がもらえるなら荷物を降ろしてすぐに空で帰ってくればいい。
労働時間の短縮にもなるが、それは平車はいけると思う。
ウィング車は同業他社、全体の台数が多いので難しいだろう。ウィングはパレット輸送がメイン。中継地点でパレットを降ろして違う車にリレーという事ができる。
平車は工業用工作機械や鉄骨を運ぶ。そういった荷物を中継地点で積み替えるのは至難の業だ。その作業のせいで機械が損傷した、破損した、となればトラブルの元になる。お客さんとしては、出来れば積んだまま行って欲しい。
平車が扱う荷物は1個が何トンもするような鉄の塊だったり、精密機器もある。そういったものなので、お客さんも積み替えを嫌がる。
そこで『2024年問題もあるし往復運賃もらえるなら弊社が行きますよ』という交渉がそのうち可能になるだろう。
少なくともウィングよりは話がしやすい。朝に東京で荷降ろしした車は夕方には大阪へ帰って来れる。
まだ2024年が始まったばかりで手探りでやっていて今まで通りの長距離運行もすぐには変わらない。しかし、そのうち労働時間の短縮をやっていない会社が吊るし上げられるだろう。
運送会社は長距離から撤退する流れが加速していく。でも荷主としは長距離を行って欲しい。どうすれば行ってくれるの?となる。その時に「往復運賃もらえるなら行きますよ」という交渉が現実になるだろう。