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トラックに24時間利用冷蔵庫 石川県珠洲市(2024/08/18)


復興支援に「コミュニティフリッジ」

 元日の大地震に見舞われた石川県珠洲市大谷町で復興が進む中、一台の冷蔵トラックが置かれている。5月6日から設置されている。トラックの荷室は「コミュニティーフリッジ」(=公共の冷蔵庫)となっており、中には食料品・水・紙皿などの生活用品が備わっている。
 「コミュニティーフリッジ」は海外で始まった。物資を配布するのではなく、物資を必要とする人がトラックに取りに行く仕組みだ。
トラックの扉にはナンバー式の電子錠が付いている。登録した住民があらかじめ渡されたカードキーや暗証番号を使って開錠し、24時間いつでも冷蔵庫の中の必要な物資を持ち帰ることができる。
 トラックは無人で、防犯カメラが設置され、Wi-Fiを飛ばすことで職員が専用のアプリで見ることができる。カメラ付きマイクで住民の問い合わせにも対応する。
大谷町では、地域に1件しかなかったスーパーが地震により潰れてしまい、さらに、土砂崩れで道路がまだ整備されておらず、地域住民は日常的な買い物も困難な状況だった。
そこで、一般社団法人ピースボート災害支援センター(東京都、PBV)が「コミュニティーフリッジ」を設置した。PBVは、2011年の東日本大震災を機に設立され多くの国や地域で支援活動を実施している。
 冷蔵庫については近くの建物から電気を引っ張っており、停電時はトラックに載せている発電機を使う。トラックは、避難所が解消されるまで継続される。
現在、置かれているものは、食料(常温保存)=子ども用のお菓子、野菜ジュース、フリーズドライ味噌汁、パックご飯、食料(冷蔵保存)=きんぴらごぼう、ひじき煮、サバ味噌、イワシ煮付け、煮豆、豆腐、納豆、ごぼうサラダなど、生活用品=タオル、ティッシュ、消臭剤、Tシャツ、下着類など。 
 物資は個人や企業など支援者からの提供で賄われている。物資の補充は1週間に1度PBV職員によって行われる。(8月19日号)

【写真】左 「コミュニティフリッジ」を備えるトラック
    右  トラックの中には食料や生活用品が置かれている