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売上げ、利益過去最高もM&A決断 大信物流輸送(2024/12/29)
昨年、新潟運輸の100%子会社に
大信物流輸送㈱(長谷川政明社長、大阪府枚方市)は 売り上げで取り扱い事業が95%、実運送が5%で、取扱事業を中心に事業展開する。支店を3つ持ち事業を拡大させてきたが、昨年4月にM&Aにより新潟運輸の100%子会社となり新たなスタートを切っている。
同社は昭和56年に大阪府摂津(せっつ)市で小林尚美氏(現相談役)が創業した。その半年後に長谷川社長が加わった。2人とも新潟県出身で地元の大手運送会社の大阪支店で勤務していた。当時35歳と23歳。
長谷川社長は18歳で大手運送会社に入社し、大阪支店に配属。上司が小林氏だった。荷主企業の後押しもあり小林氏は独立。その5年後、摂津から枚方(ひらかた)へ移転した。
新潟から関西へ、東北から関西へ、北陸から関西へと降雪地域から関西へ来るトラックに帰りの荷物をあっせんし、事業を拡大していった。
移転して取扱事業者としては珍しく自社土地に2階建て鉄筋コンクリート造りの事務所を建てた。それから5年後、現在の3階建ての事務所を新築した。これは、「建物も信用のうち。職場環境も大切」という小林相談役の強い思いからだった。
旅行業も手掛け、チャレンジ精神を忘れず事業を展開。協力会社を自社便のように扱い、配車拠点を全国に13拠点構え、80人の配車スタッフを置くまでになった。全社員は130人。トラックも25台持ち、右肩上がりに成長させ、前期の売り上げは70億円に達し、売り上げ、利益とも過去最高となった。
しかし、当時の小林社長は、2024問題を控え、先行きを見据え、M&Aを決断。昨年、新潟運輸の100%子会社となった。時を同じくして小林社長は脳梗塞を患い、代表引退を決意。48年間、同じ釜の飯を食ってきた長谷川社長にバトンタッチした。
長谷川社長はここまで伸びてきた理由について、「配車業務では相手がどう考えているか、何をやってほしいかを常に考え、丁寧な電話応対を心掛けてきた。会社と会社のつきあいとは言うが、本当はスタッフとスタッフのつきあい。言葉一つでも相手は嫌な思いをし、逆に理不尽なことを言われることもある。コミュニケーション力を重視し、人間力を磨いている」と話す。
また、M&Aについては、「最初は社内に不安な空気が流れることもあったが、新潟運輸は全国に80店舗あり、今では信用力が増し、お客さんに単体でできないことが提案できる」とメリットを話す。
小林相談役は、大病を経験したが、現在はすっかり回復し、会社にも毎日顔を出している。「健康第一や。とにかく健康や。私生活も仕事も健康でないと」が口癖。1年に1回人間ドックを130人の全社員が受けている。
【写真】長谷川社長