本文へスキップ

電話でのお問い合わせは072-882-6258

〒571-0079 大阪府門真市野里町31-15

トピックスitiran

企業型拠出年金スタート  誠幸運輸倉庫(2025/01/08)


人材確保のアピールにも

 誠幸運輸倉庫㈱(澤田隆久社長、大阪市)では今年8月から福利厚生の一環として企業型の確定拠出年金をスタートさせた。
企業型の確定拠出年金はiDeCo(個人型確定拠出年金制度)の企業版と言われるものだが、選択制の場合、社員全員が行うものではない。する、しないは各々の社員の判断による。
 社員の給与の中から掛け金をかけていくが、掛け金は最低3000円からで上限は5万5000万円。それを毎月積み立てていき、それを資産運用会社に運用してもらう。 運用については、どんな商品(株式や債券中心の投資信託など)にかけるかは社員が自分の判断で決める。
 運用先はここに何%、ここに何%、ここに何%と分けて掛けることも可能。リターンが多いところ、運用益は低いが手堅いところなど選ぶことができる。
 社員はかけている途中で運用先や掛け金の額も変えられることができる。
導入時、最初に運営会社からレクチャーしてもらうが、最終的には社員が自分の判断で決めるのが、 確定拠出年金制度だ。何歳からでも掛けることができるが、定年までかける必要があり、会社の定年が65歳なら65歳までかける必要がある。
 一方、同社では、公的退職金制度である中小企業退職金共済(中退共)にも加入している。これは会社が社員全員について掛け金を掛けていくもの。会社が社員に掛け金を負担してもらってかけるケースもある。
 中退共の掛け金は3000円からだが、10年経ったらこうなる、と掛け金の額は会社のルールによって変わる。企業型の確定拠出年金との違いの一つに退職時にもらえることがある。定年まで働かなくても退職時にもらえる。もらえる額は中退共で決まっている。 
 確定拠出年金は掛金が非課税なのもメリットだ。
 企業型確定拠出年金は給料から掛け金が控除されてから所得税が課税される。給料が20万円で5000円が掛け金の場合、19万5000円に対して税金や社会保険料がかかり、個人でiDeCoを利用する場合に比べて所得税や社会保険料が安くなる。
会社は掛金の運用に対して少額の手数料を払う。
 誠幸運輸倉庫では現在、40人中、社長を含め3人が企業型確定拠出年金を利用している。
 澤田社長は、「社員がもらう退職金を自分たちの判断で運用できるようにできれば、とのことから確定拠出金を決めた。掛け金の倍になることもある。今の若い世代は『この会社、福利厚生や退職金はどうなっているのか』と将来像を描いている人が多い。退職金制度は展望が描けるパーツの一つ。人材確保のためアピールできる」と話す。(1月6日号)

【写真】澤田社長