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「クロスドッキング」と「ピストン輸送」で差別化  埼玉・インフィールド(2025/06/08)


野中社長、外国人人材獲得にも動く

 ㈱インフィールド(野中章男社長、埼玉県所沢市)は建築資材の輸送で「クロスドッキング」と「ピストン輸送」で差別化を図り、運送事業を伸ばしていっている。また、同社では運送を請け負うだけでなく、荷主に仕事を発注するといった展開も行う。近年は外国人人材の獲得に力を入れるなど新たな分野にも挑戦する。

 クロスドッキングは、システムキッチンやガスコンロ、換気扇などを各メーカーから入荷し、それらを組み合わせてシステムキッチンに仕立てて納入先へ輸送するというもの。
物流センターにおいて搬入後に在庫保管をすることなく、配送のための荷捌きや仕分け作業を納品後速やかに行える。同社では453坪の自社倉庫を、クロスドッキングやピストン輸送のベースとして活用している。
 余計な在庫を抱えないため、多品種輸送を効率化でき、リードタイムを短縮できるのが強みだ。
 2つ目はアパート建築等の建築資材のピストン輸送。
壁材や床材、軽量鉄骨や躯体(くたい)を作っているメーカーの工場が新潟県や山形県にあり、納入先の建築現場が都内というケースが多い。都内の住宅街では道が狭く大きな車は入れない。しかし大型車で中距離の途中に、埼玉県の同社で積み替えて、そこから都内へ2トン車で向かいピストン輸送をする事で解決している。
 全国で20か所以上の拠点を確保し、その積み替えに利用している。その内容は、昼間車が出払った運送会社の駐車場を、3日間~1週間お願いして安く貸してもらいその空きスペースを利用している。 
そういった積み替え場所は固定ではなく流動的なもので、搬入する現場が違えば変わって行く。

 同社はそれを20年間継続しているので、ノウハウは蓄積されており、このエリアだったらあの会社というふうに、ローカルネット協同組合のネットワークも駆使して、協力会社を全国に持つ。 
 この2つの輸送形態のお客さんは、年間何千棟もの賃貸住宅の施工を行う大手不動産会社。そのメインのお客さんの他に、4社程のアパート建築メーカーと取引がある。
 野中社長は、「こちらのやり方でやらせてくれる所としか仕事はしない」と、お客さんを絞り込み、車も倉庫もその仕事に合わせて作っている。お客さんの工場へも同社から人を送り込み、出荷時に融通が利くようにしている。
 現場は2トン車のショートでなければ入れないケースがあるが、2トンショート自体、あまり数が無く貴重だ。そのため多少運賃を値上げして請求できるという。
 また、同社は、現場調査員や建て方業者と直接連絡を取り合う。「1日目には天気が悪そうだから鉄骨をこれくらい持ってきて」とか、細かくやり取りをする。間に現場監督が入ったり、工場が入ったりするとややこしくなるからだが、そこまでお客さんから信頼されて任せてもらっている。

 また、野中社長は5年前に「仕事をもらうだけの一方的な関係ではなく、お客さんのお客さんになってみたかった」という考えから、お客さんである大手不動産会社に発注して、アパートを建てた。
 一度自分で一棟建ててみて、その建物が実際いくら費用がかかるのか、その中でうちが頂いている物流費がどれくらいの割合を占めるのかを確認したかったというのが本音だ。
 「全体を把握しなければ、うちがもらっている物流費が適正なのか分からない。感想としては、『もうちょっともらってもいいかな?』だった」という。
しかし、物流費の値上げ以上に効果があり利益をもたらしたのは、その大手不動産会社と濃いつながりが生まれたことだ。
 大手不動産会社の担当者と一緒に鉄骨工場へ見学に行けば、子会社であるその工場の社員は、親会社の担当者が、野中社長を丁重に接するのを目の当たりにする。子会社としてはただの運送会社と軽視できない。
 同社が大手不動産会社に発注して建てたアパートは3棟。今年の8月には4棟目が完成予定だ。投資物件としても運用しており、3年に1棟のペースで継続して建てていく計画だ。

 野中社長は、技能実習、特定技能を扱う団体「グローリーヒューマンリソース協同組合」の理事長を5年前から務めている。主に建設業、製造業、介護などの職種に対応し、フィリピンやミャンマーなどからの外国人実習生の受け入れを行っている。
 2024年3月に、特定技能制度の対象分野に「自動車運送業」が追加され、トラック、バス、タクシーなどの自動車運送業で外国人労働者の受け入れが可能になったが、これを受け組合では、ドライバー候補生の4人の女性が、ミャンマーからこの秋入国予定だ。
 野中理事長は、「1年間かけて免許を取らせて特定技能生にビザを変更させ、本当に運転手になるというそこまでの一連の流れを、まず実際インフィールドでやって見せる。それを見てもらった上で、仲間の運送会社で人材が欲しいという所へ広げていく」と話す。
 現在は3か月に1度の頻度で、この事業に賛同する社長5人ずつとミャンマーへ視察に行き、面接と採用を行っている。

 野中理事長は、「私もあと4年で65歳になる。運転手からこの業界に入ってもう長く勤めた。必要な場所へ人材をあっせんする社会貢献をやっていきたい。一生続けていける持続可能な事業だ。海外へ行くと貧しい子たちが一生懸命勉強している姿を見る。何とか日本で稼げるようにしてあげたい」と話している。(6月2日号)

【写真】野中社長