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フリーランスドライバーの独立を支援 彩栄輸配サービス企業組合(2025/09/24)
運ぶだけでない“誇る”職業の確立目指す
企業組合という組織がある。個人が4人以上集まり、1つの企業体のように活動を行う組合のことをいい、株式会社と同じく法人として扱われる。彩栄輸配サービス企業組合(舌将志代表理事、埼玉県上尾市)は、2018年11月に創立。従業員数65名、車両保有台数63台、フリー車両4台の個人事業主を支援する企業組合だ。オーナーズという独自の仕組みを通じ、フリーランスの配送業を支える支援体制を提供している。
同組合は、対外的には一般貨物自動車運送事業を法人として運営。個人事業主が個人所有のトラックで荷物を運送する。
埼玉県上尾市の組合事務所では毎日の点呼を行い、許可を得て管理する車庫からの出庫・帰庫がルール。運送に関わる法律を徹底遵守し、適正に運営している。2024年からの改正改善基準告示、年間の時間外労働の上限が年960時間も一般の運送会社と同様守らなければならない。
一般の運送会社で働くドライバーとの違いは、賃金は個人事業主なので完全歩合制ということだ。
組合が営業で取ってきた仕事を組合員に相談の上、振って、組合員に委託し、組合員である個人事業主が運送するといった形が中心。それ以外にも、同組合の仕組みを活用し、営業活動を自身で行い、2~3年で組合を脱退した時に直接取引先の仕事を請け負って独立するパターンもある。
独立した際、取引先に対していきなり条件変更にならないように、営業の最前線で組合員が条件を交渉し整えて案件を獲得するといった形。結果、そのつないだ取引先を引き継いで組合を卒業し、一般貨物の許可を取得し独立していくという流れとなる。
同企業組合で働くメリットとしては、職場の上下関係などはなく、ワークライフバランスを保てる働き方が出来るという所だという。
フリーランスとして自由に働きたいと思っても、仕事を見つけたり事務作業を行ったりと、やることが増えて仕事に集中できないこともある。同組合ではそういう環境を払拭するために、運行面・整備面・経費面の管理を一手に代行するほか、トラブル時のサポート、資金繰り、また、心構えの教育など独立後に安定運営できるようにしている。
フリーランスを支える体制が整った組合として、経費や業務の管理を一手に代行するほか、トラブル時のサポートなど幅広く行っている。
舌代表は前職で一般貨物の責任者に就き、個人事業主の軽貨物事業部の責任者も経験。前職の物流会社の創業者から草案として個人事業主支援組合について聞いており、どうやったら実現可能なのか模索。起案者と共に話を詰め、4カ月ほどかけ設立に至った。
フリーランスの配送業を支える支援体制について、舌代表は、「運送会社と協力しながら業務委託として仕事を紹介している。固定ルート配送とチャーター便をメインに取り扱っており、働いた分だけ賃金として還元されるため、トラックドライバーとして効率良く稼ぎたい方を埼玉で募集している」と話す。
この事業への思いとして舌代表理事は、「個人事業主として働く事により時間・仕事の管理をすべて個人で行う事で、働いた分だけ賃金として還元されます。『個人事業主によるトラック輸送組織』を構築し、業界の活性化に挑戦している。その理由は、トラックドライバーは技術職であり、本来は”収入”が魅力の職業として発信する事が重要であると思っている。
社会に絶対的に必要である“トラック輸送”の働き方を変え、稼ぐ事で得られるその先の“夢”を応援し、モノを運ぶだけではないサービスを以てして“誇る”職業として確立を目指している」と話している。