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手元資金50万 周囲の反対押し切り23歳で起業 関西興業(2025/11/23)


3本の柱で攻めていく!

 ㈱関西興業(冨田裕二社長、京都府木津川市)は設立から9年目の若い会社だ。冷凍車15台で食品輸送を展開し、地場・中距離中心に定期仕事が7割を占める。32歳の冨田社長が弱冠23歳で立ち上げた。
 独立時、持ち金は50万円。国民生活金融公庫(国金)から1500万円、銀行から200万を借り、計1750万円を元手に起業。ヤフーオークションで4トン車を75万円で購入するなどトラックをかき集めスタートした。
もともと独立願望があった冨田社長だが、「トラックしか乗ったことがない。絶対無理だ。絶対に失敗する」と周囲から言われたが、「絶対できる。人がやってるんだから」と強い意志で事業に取り組んでいった。
 当初は休みなしに走っていたブラック企業だった。仕事がきついため、雇っても3か月も続かずに辞めていく従業員が相次いだ。社長の若さも取引先からの信頼が薄く、「崖っぷちは幾度となくあった」と振り返る。
運賃が高い割に作業品質が悪く、仕事が切られることも多かった。せっかく取ってきた月1000万円の仕事が3日でなくなることもあった。
 いつ会社が倒れてもおかしくない状況だった2年前。冨田社長は30歳を迎え、気付きを得た。「会社だけが儲けようとしてもダメだ。従業員、お客さん、世間があってこその会社。『三方良し』。3つがそろわないとダメだ」と気持ちを切り替えた。
そして昨年、高校時代の同級生で大手自動車販売店にいた代(だい)部長が入社。代部長が入ったことで潮目が変わり売り上げが上がり、利益も出ようになり、現在、事業は軌道に乗っている。
 同社では、トラックが壊れたときのためにレッカー車を保有。万が一の故障時に迅速に対応するが、レッカー2台目がもうすぐ来るという。
冨田社長は、「トラックの販売を始めた。レッカーでは動かない車を引き取りに行く仕事も視野に入れている。運送、販売、レッカー。今後、この3本の柱で攻めていく」と意気込んでいた。(11月17日号)

【写真】左から 代部長と冨田社長