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トピックスitiran

離島から石垣島への買い物を代行(2021/07/18)


「ゆいまーる便」に依頼相次ぐ


感染リスクから島を守る


てぃだくくる合同会社(沖縄県石垣市)は、6月1日に沖縄県の八重山諸島で買い物代行サービス「ゆいまーる便」を開始した。「ゆいまーる便」は、利用者がサイトや電話で商品を注文し、船に乗ることなく買い物でき、現在、利用者が増加している。
石垣島の量販店には以前から「離島配送」というサービスがある。石垣島へ買い物に来た離島民は2~3店舗を回り、会計時に「離島配送で」と告げる。
量販店では、買った商品を梱包し、各店の車で港に運ぶ。帰りの船に商品が積まれ、船を降りる際に離島民が港で受け取る。
しかし、観光客と一緒の密集した船内で往復15~60分以上、さらに石垣島では公共交通機関を利用するが、買物は、離島に感染を持ち込むリスクを伴う。離島民は、石垣島まで行かないと商品を買うことができない。
また、離島民は往復の船代、港から各店舗への交通費、そして半日以上の時間と労力を使って毎週石垣島へ来る。与那国島から石垣島までは飛行機で買物に来る島民も多い。
てぃだくるを立ち上げた代表の平良(たいら)さんと執行役員の今田さんは、石垣島の大手量販店で「離島配送部門」に従事し、商品を港まで運んで船積みしていた。
コロナ禍で離島から石垣島に買い物に来る人々から「感染したら島に帰れない」「代わりに買い物をして送ってくれないだろうか」という声を聞き、3月に「てぃだくくる」を設立した。
買い物代行サービス「ゆいまーる便」では、利用者がサイトや電話で注文した商品を、スタッフが石垣島の5つの量販店で価格を比較して購入、梱包して貨物船に積み込む。利用者は、島の港で受け取ることができるので、混雑する船に乗ることなく買い物できる。
また、従来の「離島配送」では、店舗ごとに梱包され個口数が多くなるが、ゆいまーる便ではまとめて購入・梱包するので、船積み運賃を安く抑えられる利点もある。
モニター利用していた西表島の法人は、「スーパーだけでなくホームセンターなどの買い物も頼めて、使い勝手の良さに驚いた」と「ゆいまーる便」を評価。利用者は自治体からの問い合わせも増えているという。
てぃだくくるでは、「石垣島から各離島への冷蔵・冷凍対応もできるようにする。離島へのサービスが軌道に乗ったらリクエストに応えて石垣島北部もサービス地域に追加していく。石垣島産野菜や魚の離島への独自流通、離島専用特売品の充実など、販路に困っている農家やスーパーとの連携も強化したい」と今後の展望を話す。
自然と共存できるよう、箱・保冷剤のリサイクル使用をはじめ省エネ化やゴミをなるべく出さない仕組みづくりを目指す。


【写真】てぃだくくるを立ち上げた平良さん(右)と今田さん。1便に多いときは30箱以上、全て手作業で積みあげる