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貨物で生き残りはかる航空会社(2021/08/01)
ANA 3月に貨物便過去最高2359便運航
エミレーツスカイカーゴ(アラブ首長国連邦)は昨年4月下旬、世界的な感染拡大のさなか、医療用防護具などの緊急輸送需要に応えるため、ボーイング777―300ER型機内の座席と頭上の荷物棚に商品を積み込み、緊急貨物を搭載する追加スペースを確保した。
エコノミークラスの座席を取り外して貨物スペースを確保した改造機も16機保有するが、昨年3月以来、1年間で2万7800回以上の旅客機による貨物専用便を運航している。
航空貨物運送協会(JAFA)によると、4月の日本発航空貨物の輸出取り扱い実績は、前年同月比2倍の11万480トンと5カ月連続で増加した。
ANAホールディングスによると、コロナ禍で著しく需要の増加した品目は、2020年
4~6月はコロナ関連(マスク、防護服、衛生用品、医薬品)、7~9月はコロナ関連が落ち着き、主力商材(半導体、自動車関連)が回復へ向かう。
10月~12月は年末商戦の影響で自動車関連、半導体・電子部品、電子機器類が好調に推移し、今年1~3月も引き続き半導体・電子部品や自動車関連が好調だった。
3月には、貨物定期便・貨物臨時便・旅客機を使用した貨物便を過去最高の計2359便運航。2021年3月期決算では、国際線貨物収入は過去最高の1605億円(前期比56・3%増)となった。
連結売上高に占める貨物収入(国際・国内)の割合は、コロナ前の2020年1~3月期にはグループ全体3920億円に対して貨物収入(国際・国内)323億円(約8%)だったが、2021年1~3月期は、グループ全体2010億円に対して貨物収入(国際・国内)660億円(約33%)にのぼった。
ANAHDでは、「旅客便の運休や、海上輸送混雑による需給ひっ迫が続き、平時は海上輸送している商材が航空輸送にシフトしていることから単価が高騰し、過去最高の売上高となった。需要が増えた要因は、家で過ごす時間を充実させるためのゲーム機やリモートワークに必要なPC関連機器、アメリカでは郊外への移住が進み家電の需要増など巣ごもり需要の影響が大きい。今後も電子機器・半導体、自動車関連需要は堅調に推移し、20年度同様の需給バランスが続く見込み」としている。
【写真】エミレーツ航空では、90機近くの旅客機を貨物便として活用