「買い物代行」で新たなビジネスチャンス！（2021/10/10）

給食配送の鈴木小型運送


コロナ感染で休校相次ぎ、仕事が激減


　学校給食の配送を行う鈴木小型運送㈱（鈴木幸雄社長、北海道釧路市）は、昨年６月からスーパーなどへの買い物を代行するサービスを提供している。
同サービスを開始したきっかけは、昨年３月に新型コロナの感染拡大を受け、釧路市内の学校が臨時休校となり、仕事が激減したこと。
　かつてない危機感を感じた鈴木社長は、「今できることをやるしかない」と決意。
自分たちができることを模索していたところ、高齢者や子育て中の家庭など、感染防止のため外出を控え、買い物に困っている人がいると聞き、新規事業として「買い物代行サービス」を開始した。
　同サービスは、電話で予約を受け付け、お客さんが希望する時間にドライバーが訪問。
商品名や個数、店舗など買い物に必要な情報を聞き取り、「買い物リスト」を作成するが、
　訪問前には全身を除菌し、お客さんとは２メートルの距離を取り、買い物中、配送中は手袋を着用する。
　商品は普段の給食配送に使う２トン車を使っている。
スーパー１件、ドラッグストア１件と、複数の店舗を回ることも可能で、希望の商品がなかった際に代替品を買うかどうかの提案も行う。
　配送料金はトラックがお客さんの家を出て、商品を届け終わるまでの時間を算出するが、買い物代行料として30分につき１０００円、買い物リストの作成料として５００円。
サービスを開始した当初は、食品や日用品などの買い物だけを想定していたが、実際に始めてみると新たなニーズが出てきた。
　それは、釧路市でしか購入できない書籍や、物干し竿など、地域限定品や乗用車では運搬が難しい商品だ。
　鈴木社長は、「給食配送のノウハウを活かし、困っている人の役に立つ仕事がしたいと思った。実際に始めてみると、お客さんごとに多種多様なニーズがあるとわかり、サービスの幅が広がった。今後もお客さんの声に柔軟に対応し、サービスを強化していく」と意気込む。