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「業者を変えたら年間1000万円減った」  トラック整備・修理費用(2022/05/22)


 先日、関西で食品配送などを行っている運送会社の女性社長から「トラックの整備業者を変えたら、整備費用が年間1000万円以上減った」という話を聞いた。社長によると、以前の整備業者は見積もりも出さず、車検完了後に「これだけかかりましたから払ってください」と請求書を持ってくるようなところだったという。
 その社長は、「その業者に頼むと、中型トラックの車検に60万円以上かかった。一台に100万円近くかかる時もあって、請求内容に不審を抱かざるをえなかった。業者と話し合いもしたが、『車検とはそういうものですから』と言われて終わりだった。
私が女性だから、車のことはよく知らないだろうと甘くみて、不必要な整備を行い、請求をカサ増していたのではないか」と憤る。
 トラックの整備費用について、他の運送会社にも話を聞いた。
 三重県の運送会社の女性社長は、「中型トラックの車検が60万円というのは確かに高い気がする。私も女性だが、会社を引き継いだ当初は、トラックの整備について知らないことが多く、不明な点については、しつこいくらい繰り返し質問した。また、部品交換も、純正ではなく、安価な市販品を使えないのか、ディーラーに頼んでみたこともある」と話す。
 奈良県の運送会社社長は、「運送会社からみて不要と思う整備でも、『良かれと思って交換しました』と業者に言われてしまえばそれまでだ。交換した方が良いのか、壊れてからでも間に合うのか、こちらが判断しないと、言い値で整備されてしまう」と指摘する。
一方で、「安い業者に頼めば良いという単純な話でもない。安い業者は対応も悪く、補償もない。業者が近所の知り合いだったら、安易にクレームも言えない。その点、ディーラーには文句を言いやすいし、対応も良く、補償もある。経営者として、どちらを選ぶのかという話だ」ともいう。
 神奈川県の自動車整備会社の社長は、次のように話す。
「整備業者は過去の整備記録簿を参考にして作業のグレードを決めている。
車検時に、まとめて部品交換や補修が行われていると、その車は車検時にしかメンテナンスを行わない車だと認識される。整備業者は次の車検まで整備が行われないことを見込んで(ある程度余裕をもたせて)部品交換を行うので、部品代や工賃がかさんでしまう。
費用を抑えるには、ブレーキなど車検ごとに交換するもの、オイルなど劣化の程度に合わせて交換するもの、ベルトやシャフトなど一定の走行距離や年数に応じて交換するもの、とそれぞれ分けて、その都度整備を行うのが良い。
 指定整備業者なら、修理や車検の際に見積書を発行するはずで、それを出さない業者など論外だ。契約にない塗装を勝手に行ったり、フィルターを交換していないのに部品代と工賃を請求に上げたりするのは詐欺行為だ。そうした目にあわないためにも、きちんとコミュニケーションがとれる業者を選んだ方が良い」