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4億円投資し、新倉庫建設へ 三栄運輸(2023/01/10)


山本社長「守ったらあかん」




 三重県伊賀市にある三栄運輸㈱(山本貞夫社長)は、今年9月に倉庫を完成させる。250坪の倉庫で200坪の工場を併設するという新たな展開で、4億円の投資となる。
 工場ではタンクローリーで集めてきた使用済みの化学薬品を精製し、不純物を取り除く。SDGSの概念に沿ったリサイクル事業である。新倉庫は9棟目となる。1棟目は22年前に建てたが、倉庫への投資額は20億円を超えた。扱うものは紙、危険物、フェンス、製薬の原料など多岐にわたる。
 和歌山県田辺市出身の山本社長は、地元で材木商を営んでいたが、31歳のときに取引先から不渡りを食らい、事業に失敗した。その後、負債を返済するためにトラック運送業界に飛び込み、トラックやトレーラーを運転。
5年で負債をすべて返済し、その後も運転手をやっていたが43歳のとき、取引先から自分でやってみないかと声をかけられ、赤字の運送会社を買って独立。1994年6月に三栄運輸を設立させた。
 現在、大型車を中心に37台保有し、倉庫業とともに積極的に事業展開を押し進める。
大正14年生まれの山本社長の祖父・山本辰吉さんは、馬力(馬車)を作る職人だった。屋号は車辰(くるたつ)。
 三栄運輸では「車辰」を復活させ、トラック、名刺、請求書で使っている。
75歳になる山本社長は、「私は車に縁がある。運送業は天職。29期終わって、今年30周年を迎える。気持ちは常にアグレッシブ。『負けてたまるか』『守ったらあかん』の気持ちで今年も頑張っていきたい」と意気込んでいる。(1月2日号)


 【写真】倉庫の前に立つ山本社長