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毎朝バナナとトマトジュースを無料で配布  愛知・大橋運輸の健康経営の取り組み(2023/07/17)


管理栄養士が従業員の健康をサポート



 大橋運輸㈱(鍋嶋洋行社長、愛知県瀬戸市、96人)では、2018年から管理栄養士が在籍し、従業員の健康をサポートしている。同社は、15年ほど前から健康経営の取り組みを始めた。以前は健康診断での早期発見、早期治療が重要視されていたが、鍋嶋社長は、これからは「治療より予防」の時代だと考え、攻めの健康経営に徹している。
 食習慣が身体に与える影響が大きいことから、管理栄養士の採用を決めた。スタート時は週3日4時間勤務だったが、3年前からフルタイム勤務になった。
2020年、管理栄養士の太美善(たい みそん)さんは、コロナで従業員と面談ができなくなったことから、「LINEならコミュニケーションできる」と考え、「社内管理栄養士LINE」を開設した。
 毎週月曜日に健康情報を発信し、個別に健康相談を受け付けている。当初は登録者数が伸び悩んだが、「食事内容をスマホで撮ってアドバイスをもらえる」ということが従業員の間で評判を呼び、登録者数は少しずつ増えていき、現在は従業員の96%が登録している。
 同社では、朝食をとらない人が多かったことから、2年前から毎朝バナナとトマトジュースを無料で配布している。カリウムが豊富なバナナは、体内の余分な塩分を排出するので、血圧を下げるなどの効果が期待できる。
 週に2回、腸内環境を整えるヤクルトも配布。社内に設置された水素サーバーの水も自由に飲める。
 さらに、定期的に季節の野菜や果物など健康の質を高める食材も提供している。例えばトウモロコシ5本、リンゴ5~6個、夏はうなぎ4尾や豚肉、12月はシャトーブリアンのステーキ肉4枚や、黒毛和牛1キロなど。
 食材配布はパートやスポットのバイトも対象だ。鍋嶋社長は、「給与を増やすことも大事だが、お金の使い方は人によってまちまちで、季節の食材提供は本人だけでなく家族とも交流できる」と話す。
 大橋運輸は、1954年に鍋嶋社長の妻の祖父が創業。鍋嶋社長は1998年4月に入社し、同11月に3代目社長に就任した。親族だけで経営する同族企業で、入社前は6期連続赤字で債務超過となり、下請け業務が8割以上を占めていた。
 鍋嶋社長は入社後5年間、朝6時から24時まで休みなく働き、一時は血圧が200に上昇し、体重は20キロほど増えた。この経験から健康経営に取り組むことになったという。
健康経営に取り組んだ結果、経済産業省「健康経営優良法人」に7年連続で認定され、上位500法人「ブライト500」にも3年連続で認定された。
 同社の従業員の肥満率は、2019年の39%から、2021年は18%に低下し、効果は歴然と出ている。
 
 【写真】毎朝、バナナとトマトジュースを配布(右は栄養管理士の太さん)