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助成金活用し、高齢者雇用 一宏運輸(2024/03/10)


過去最高売上を達成

 
 一宏(いっこう)運輸㈱(東野功社長、大阪府羽曳野市)は土木資材、機械、電線などを輸送する運送会社。同社は助成金を活用して、高齢者雇用を拡大し、業績を伸ばしている。
 どの業界にも言えることだが、少子高齢化で思うように採用ができず人材確保が難しくなっている。高齢者雇用は人材不足を解消するための有効な解決策となる、と考えた東野社長は、他社の運送会社をリタイヤした60歳超えの人を再雇用する取り組みを4~5年前から続けている。これにより同社はドライバー不足問題をクリアしている。
「他所で定年までドライバーを勤め上げたような人は、仕事に対して軽薄な若者よりも、ずっと真面目という印象がある」と東野社長は話す。
 また、東野社長は助成金の制度も活用する。「特定求職者雇用開発助成金」は、労働者の雇用維持や、再就職支援などを目的としたもの。対象者は60歳以上65歳未満の高年齢者、母子家の母、障害者などハローワーク等を介して雇用することで支給される。
 対象者や雇用期間などで助成額は異なるが、支給対象期間は1期(半年)ごとで、同社にはこの助成金を活用することで、30万円×2期=60万円(1年)の雇支給を受けている。
 同社は、高齢ドライバーの活躍にも差支えられ、現在、会社は黒字化して上向き調子だ。配車係をドライバーにして、社長はトラックを降り営業と事務に専念。北陸~中国・山陰方面の仕事をやり始めたところ、売上が毎月100万円ずつ上がっていき、昨年5月から、徐々に数字に表れてきた。
 そして、ついに昨年10月~12月は過去最高売上を達成した。
東野社長は、「一番若いドライバーは40歳、最高齢は66歳。従業員の働きやすい職場環境作りのため完全週休二日制にし、定年年齢を引き上げた。今後はキャリアアップ助成金の導入を検討して人材を確保し、2024年を攻めていきたい」と意気込んでいる。(3月4日)

【写真】一宏運輸の60歳以上の精鋭ドライバー