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クローズアップitiran

道の駅針テラスで販売されるお酒   トラック多い自動車専用道路沿い(2024/12/15)


奈良・針TSに隣接

トラックの飲酒運転による交通事故が増加しているが、これは会社の取り組みや運転手のモラルが大きく関わってくる問題だ。しかし、飲酒の環境というのも見過ごせない。トラックの通行量が半分近くを占める自動車専用道路・国道25号線(名阪国道)沿いには奈良・針トラックステーション(奈良市)がある。同TSにはコンビニがあるが酒類は販売されていない。一方、隣接する道の駅針テラス内のコンビニには酒類が販売されている。

警察庁の交通統計では、令和5年に発生した事業用トラック(軽貨物除く)の飲酒運転による事故発生件数は23件で、令和4年の6件から4倍に増加した。飲酒運転に対する指導が設けられた行政処分基準が3か月前倒し(10月1日)施行につながった。トラック協会が管理し、トラックドライバーが休憩場所として利用する奈良・針TSは、三重県亀山市の亀山ICと奈良県天理市の天理ICを結ぶ名阪国道(約73キロ)の針ICに隣接し、大型車60台駐車できる。 
昨年度の利用台数は17万4962台と国内2番目の利用台数を誇り、コインシャワー、休憩室、コインランドリーが備わっており、また、24時間営業のコンビニ・ファミリーマートがある。その奈良・針TSと道路を挟んで道の駅針テラスがある。西日本最大級の道の駅で大型車60台車が駐車でき、トラックドライバーの休憩所としても利用されている。
針テラスには天然温泉施設やフードコートがあり、その中にも同じくファミリーマートがある。
 
 奈良・針TSのファミリーマートにはお酒が販売されてない。これは、これは契約しているトラック協会がコンビニ側に対して酒類の販売をしないよう要請しているためだ。
しかし、道の駅針テラスのファミリーマート店内ではお酒が販売されている。
 周辺施設に勤める職員は、「針テラスにはバスツアーの参加客も大勢立ち寄る。それらの参加客への需要を見越して、酒類の提供を行っているのではないか」と話す。
改めて針テラスの管理局に尋ねると、「針テラスは各店舗が独立したテナントとなっている。各店舗のオーナーがどういう取り決めをしているかまでを把握することはできないし、こちらから干渉することもできない」としている。
 道の駅針テラスでは、警察や消防からの要請により、飲酒運転防止のための呼びかけポスターの掲示を行うことはあるものの、飲酒運転対策としてはそれ以上の取組ができていないのが現状だ。

 道の駅は、市町村や公的な団体が、国土交通省へ申請することで登録される。国交省によると、道の駅でのアルコール類の販売は法的には問題がないとのこと。道の駅の登録要件は「休憩機能(24時間無料で利用できる駐車場とトイレ)」「情報発信機能(道路情報や観光情報等の提供)」「地域連携機能(文化共用施設やレクリエーション施設などの設置)」等が定められている。
 針テラスと針TSは徒歩での行き来が可能となっている。ドライバーがその気になれば、針テラスで酒類を購入し、トラックに持ち帰ることもできてしまう。
 針TS側もこのことを懸念しているものの、管轄外の施設に対して酒類の提供差し止めを要求することはできないため、TS側でポスターの掲示等をし、ドライバーや運送会社に呼びかけを行うことでしか対策できていないのが現状だ。(12月16日号)

【写真】道の駅針テラス内のコンビニで販売されているお酒