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大型トラック運転手「これは事故ではなく犯罪なのです」(2025/12/07)


千葉県警 「飲酒運転受刑者手記」公開

 お酒を飲む機会が多くなる時期がやってきた。千葉県警はこのほど、飲酒運転受刑者の手記を公開した。これは、軽い気持ちで飲酒運転をしてしまい、被害者を轢き殺してしまった受刑者たちの、職と家族を失いながら刑務所で罪を償う様子がつぶさに書かれた手記だ。
 県警によると、飲酒運転をして捕まった人は、「今まで飲酒運転をしても事故を起こさなかったから、今日も大丈夫」「少ししか飲んでいないから運転して帰ろう」「飲酒しても、いつもどおり運転できる」「深夜なら人も歩いていないから安心」「酒が多少残っている程度では事故を起こさず運転できる」などと、自分だけは大丈夫だと軽く考えていたケースが多いという。
 飲酒運転受刑者の手記を公開するに至ったきっかけは、令和3年6月に八街市(やちまたし)内において飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に衝突し、複数の児童が死傷した重大交通事故の発生であった。
 県警では当該事故が千葉県において発生したことを重く受け止め、同種の事故防止に向けた対策を着実に実行するため、「千葉県警察交通安全緊急対策アクションプラン」を策定した。その一環で、令和4年から継続して「飲酒運転受刑者の手記」をホームページで公開している。
 手記のなかには、大型トラックで飲酒運転し、1人の女性を死亡させたトラック運転手(50代)のものも紹介されている。
 前日の午後6時ころからビール3本、酎ハイ1本を飲み、翌日、トラックを運転し、交差点で女性をはねた。前日のお酒が残っていたのだ。
 裁判では、懲役2年6か月の判決を受けたが、「被害者御遺族の方の気持ちになって事件を考えると、これは事故ではなく犯罪なのです。人殺しなのだと思います」「私が犯した罪は一生消えることはないのです」などと後悔の念に駆られる言葉が綴られている。
 警察庁によると、全国の飲酒運転による交通事故の発生状況(令和6年中)は、交通事故件数が2346件で前年と同数となり、そのうち死亡事故件数は140件で、前年と比べて増加(前年比+28件、+25%)している。
 千葉県警交通総務課の朝倉氏は、「飲酒運転受刑者の手記を公開することで、交通事故を起こして人を死傷させてしまった加害者のその後、後悔、苦悩、煩悶を知ってほしい。この手記を広く知ってもらう事で飲酒運転の撲滅につながれば」と話している。(12月1日号)