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転職先ナンバー1は「運送業」 退職代行業者のアンケート結果より(2025/12/24)


23・3%が運送業に就職

 退職代行サービス「モームリ」を運営している㈱アルバトロス(東京都)は10月7日、退職代行を利用した後に、同社の転職サービスを利用して転職先が決まった男女3045人にアンケートを実施した(調査期間:2024年10月~2025年8月)。調査結果によると、転職先として最も多いのが運送業(23・3%)で、事務(21・0%)、サービス業(11・7%)がそれに続いた。
 ただ、もともと転職先として運送業界を希望する人が特別多いというわけでもなく、転職先が決まる前の希望職種の調査では、「事務・管理」が最も多く51・7%。次いで「サービス・接客・店舗」が28・3%で、「技能工・設備・交通・運輸」は7%だった。

 アンケート結果についてアルバトロスの担当者は、「退職代行を利用する方の約6割は人間関係が理由で退職するため、人とあまり関わらない職種や、黙々と作業できる職種の転職先を希望する方が多い。運送業はその条件に合っているため、就職後の環境に満足している方も多いのではないか。運送業に入社した人は、元々同業種に勤めていたり、建築業などのハードな環境で働いていたりした方が多いというのもある」と話している。
  また、運送業に勤めていた人が退職代行を利用して退職するというケースも存在する。「上司からのハラスメントや長時間労働に悩まされていたり、会社が過積載を行っているという理由を挙げる方もいる」と説明する。
 これまでに退職代行サービス「モームリ」を利用したことがある、運送業に勤務していた3244名の退職理由(複数回答可)として最も多いのは、「人間関係や職場環境・雰囲気に問題がある」(449名)だった。
 次いで「上司から各種ハラスメントを受けている」(376名)で、「仕事へのやりがちが持てない」(346名)、「上司から退職を止められる」(342名)がそれに続いた。
 「有給が使えない(圧力がある)」や「プライベートの時間が取れない」など、休暇に関連する理由も多い。
 アルバトロスの担当者は「給与などの待遇よりも、人間関係や職場環境を優先したい、プライベートと両立をしたいという考えで転職活動をされている方が、全体的に増加傾向となっている」とコメントしている。

 重量物運送を得意とする運送会社の社長は、「ドライバーは孤独、人間関係が希薄、コミュニケーションや接触が少ないという風に捉える方も多いのかなと思う。実際は人間関係を遮断することは不可能だが、仕事中のことだけを考えれば、一般的な仕事よりもその辺は減らせると考えるのかもしれない。半分冗談だが、退職代行会社からあっせんしてもらいたい」と話していた。
 退職代行サービス会社からの限定的なデータとはいえ、運送業が転職先のトップだったというのは、ここに人材確保のヒントが隠されているのかも知れない。(12月15日号)