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社員を定着させる給与とは? ベストサポート・高濱氏(2026/01/02)


逆風を追い風に変えるチャンス!

 RMエージェンシー㈱(大阪府東大阪市)は10月22日、「トラック新法を追い風に変える実践セミナー」を開催。ベストサポート行政書士法人代表の高濱昌次氏は「逆風の時代だからこそ『違いの出る』人材確保実践術」と題し、人事評価制度を活用した組織づくりの重要性を説いた。

 高濱氏は、昨年度の「人手不足倒産」は289件と過去最多を更新したことに言及。「社員の定着率を上げるために重要となるのが満足度だが、『給料を上げればいい』と考える経営者も多い。しかし、給料が高いことが満足につながるというわけではない」と高濱氏は言う。
 給与や労働条件などは不足すると不満が生じるが、満たされても満足にはつながらない。高濱氏は「真の満足を生むのは“動機づけ要因”、つまり達成感や責任感、感謝される体験などの内的要素。社員の『自分は会社にとって大切な存在だ』という自己肯定感を育むことが、定着と成長につながる」と話す。
 多くの会社で採用されている給与体系が「時間軸給制」と「歩合給制」だ。
時間軸給制は残業時間が正しく給与に反映され、人件費上昇を要因とする運賃の値上げ交渉がしやすくなると言う利点もある。一方で、仕事が遅い社員の方が仕事の早い社員よりも給与が高くなりやすかったり、時間外手当が割高なこと、結果を出しても他の社員と評価が同じでモチベーションにつながりにくいといった欠点が存在する。

 歩合給制は売上に応じて給与がもらえるため、モチベーションにつながり、時間外手当が割安という利点がある。一方で、社員が自身のことだけを考え他の社員と協力しなくなったり、割のいい仕事と悪い仕事が生まれることで仕事への不満につながるという欠点がある。
 高濱氏が提唱するのは、双方の長短を踏まえた上で、それぞれの欠点を補う「人事評価制度」。 
「運送会社では『頑張っても給料が変わらない』『どうすれば昇給できるのか分からない』という声がある。評価制度があれば、会社が求める人物像を明示し、努力が具体的に給与へ反映される仕組みを作れます」と話す。
評価項目は「車両整備や洗車」「仕事の正確さ」「コスト意識」「安全意識」「報連相・日報提出」等。どれを重視するかは会社ごとに異なるが、「理想のドライバー像を明文化すること」が有効だ。
 高濱氏は業績のいい運送会社の社員達に共通した特徴として「時間を守る」「明るく挨拶できる」「身の回りを清潔に保つ」の3つを挙げ、「特別なことではないが、当たり前を全員がやりきる会社は強い」と話す。
 評価点を合計して等級を決め、給与と連動させることで、社員は「何をすれば昇給できるか」が明確になる。また、成績が下がれば減給も可能なため、望まない人材の整理にもつながるし、高濱氏は「『頑張れば報われる』という納得感を与え、同時に成長意欲を引き出す。これが評価制度の最大の効用です」と解説する

 さらに、「制度だけ作っても形骸化する。人事評価制度は、会社の存在意義と連動させることが重要。自社が『何のために存在するのか』を明確にし、それに基づいた人物像を定義する。評価項目は、その理念を体現する行動でなければ意味がない」と説明した。
最後に、高濱氏は、
 「制度を整えておけば同時に社員育成にもつながる。業界の逆風を追い風に変えるチャンス」と締めくくった。

【写真】説明を行う高濱氏