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クローズアップ itiran

月60万円抜かれている! 「ひひ孫」の立場にある運送会社(2026/02/18)


4月からの次数制限を心配

 大阪府の食品輸送を行う会社は、3次請けの立場での低運賃に苦しんでいる。「ひひ孫」の立場にある同社は毎日の定期の仕事で、1次請けの会社に毎月約60万円「抜かれている」という。「1次請けの会社はトラックを1台も入れず、1日1台3000円抜いている」。実運送を行う同社はトラックを7台入れており、1日3000円×30日=9万円×7台で月63万円「抜かれている」という計算だ。
 同社の社長は「1000円抜かれるくらいなら許容出来るが、3000円はキツイ。同じ元請であるB社やC社がそれぞれの1次請けに払っている運賃の金額の裏は取れている。3万5000円だ。元請B社やC社の下の実運送が1000円だけ抜かれて走っている事も知っている。
 うちが3000円抜かれているのは明らか。『3000円は高すぎる』と1次請けに訴えると、『1000円しか抜いてません』と言われた。元請B社やC社の下請実運送と同じ金額を要求したら、電話の向こうでだんまりを決め込む始末だ」と話す。
同社のすぐ上の2次請けは、同社のグループ会社で取扱専門業者。「そこで抜かれるのは仕方ない。しかし中堅の運送会社でもある1次請けが、実質何もしないのに3000円抜くのはおかしい」と話す。 
 昨年、Gメンにこのことについて通報したが、Gメンには「どういうふうに動いているかはお教え出来ません」と言われ、その後回答も無く、なしのつぶての状態だという。
社長は、「元請B社やC社の下請実運送会社とまったく同じ仕事をしているにもかかわらず、うちは2~3万円安く運賃収受している。収受出来る運賃が少なければ、ドライバーの給料に還元できない。このままでは、うちのドライバーが元請B社やC社の下請実運送会社へ流れる可能性もある。新しいドライバーを募集したくても、既に競争力が劣っている」と話す。
 2025年4月からすべての元請け事業者に「実運送体制管理簿の作成」が義務付けられた。実運送事業者の名称、貨物の内容及び区間、実運送事業者の請負階層 (一次請け、二次請け等)を記載し、保管しなければならない。多重下請け構造の是正を目的として、再委託は2回まで、つまり2次請けまでの「委託次数の制限」が義務付けされる新たなルールが2026年4月から始まる。 
 しかし、今回のように3次請けで仕事をさせた場合、また、今回の額については罰則や制限はない。食品輸送を行う会社は、「過度な中抜きによる運賃の圧縮を防ぐことからの次数制限だが、罰則がないというのは心もとない。実際に効果があるのか心配である」と話している。(2月16日号)