本文へスキップ

トラック情報社のWebサイトです。トラック運送業界の専門紙「物流新時代」を発行しています。

電話でのお問い合わせは 072-882-6258

〒571-0079 大阪府門真市野里町31-15

トピックス itiran

ESGマーク認証制度とは?  全国で76事業体が取得(2026/02/22)


環境・責任・企業統治を推進する企業を認証

大手との取引が有利に?

 安全の確保に積極的に取り組んでいる事業者を認証する「Gマーク制度」や職場環境改善に取り組んでいる事業者を認証する「働きやすい職場認証制度」など、近年は様々な認証制度があるが、最近注目されているのが、「ESGマーク認証制度」。これは去年から受付が開始された、新しい認証制度である。

 ESGマーク認証制度は、中小企業が果たさなければならない「環境対応」「社会的責任」「企業統治」を推進している組織を認証する制度で、中小企業の個人情報保護とDX推進を支援する、一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会(東京都)が2024年6月に第三者機関として提供を開始したもので、まだ国内では認知が低いが注目度は上がっている。
 ESGマーク認証を取得している事業者は2025年12月23日時点で76社と、全国でも数少ない認証取得者となる。
物流業界に特化して人材派遣を行っている㈱スタープライド(大阪市)では、昨年8月にESGマーク認証を取得した。
 ESGへの取り組みについては高いハードルがある。E(環境)・S(社会)・G(企業統治)の分野において、10種類以上の申請書類を作成する必要があるためだ。
 同社では元々、環境に配慮した事業者であることを証明する「エコアクション21」、適切に個人情報を保護していることを認定する「プライバシーマーク」の認証を取得しており、これらの制度の要件がSGマーク認証制度と重なる部分もあり、下地があったことで認証を取るまでの期間は短く済んだという。
 ただ、それでも申請から取得までには1年の月日を要した。
取得後は2年ごとの更新が必要となる。

 取得のきっかけについて田畑隆志社長は、「認証を取得することで、『信頼』という目に見えない資産が可視化されるということ、その結果として取引先から選ばれ、優秀な人材が集まり、強い組織へ成長できると考えた」と語る。
 また、取得したメリットには、「正直、目に見えて何かが良くなったということは感じない。ただ、大手企業との取引先で言えば、認証を取っているということで評価されることもあるのは確か。その会社さんでは、他の派遣会社とは、取り引きを辞めるなどしているようですが、弊社とはずっと契約を続けてもらっている。
 これが認証を取っているからなのかは分からないが、第三者の目から見てESGに取り組んでいることが分かるというのは大きいと思う」と話す。
 さらに、「建設業など国の事業で、入札が必要なものについては認証を取っていた方が有利になるとか、そういう影響が出てきているというのは聞いたことがある。これから大手さんとの取引をしていくにあたっては、このような認証も必要になってくるのではないか」と語った。

 日用品メーカー大手の花王は、ESGの考え方を経営の根幹に据えた「ESG戦略」を行っていることを発表している。アブラヤシの果実を余すことなく使う技術で過剰な森林伐採を防いだり、プラスチックを従来品から40%削減した洗剤のボトルを開発したりするなど、生活者の視点に立った「よきモノづくり」を通して、社会のサステナビリティ(持続可能性)実現と企業の価値向上を目指している。
 また、「ESG戦略」の中で「調達基本方針」を掲げており、「お取引先と共に、サプライチェーン全体のトレーサビリティを確保し、資源保護・環境保全や安全、人権などの社会的課題の解決に貢献します」とある。(2月16日号)

【写真】ESGマーク認証を取得したスタープライド