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マイナ免許証に思わぬ落とし穴 点呼時に確認できない? (2026/03/01)
情報はチップに記録
マイナンバーカード(個人番号カード)には有効期限があるが、昨年3月から更新する際に、運転免許情報が記録された「マイナ免許証」としても使用できるようになった。マイナ免許証を取得すると、従来の免許証を持たなくてもマイナ免許証だけで車を運転できる。 更新手数料が安く、更新講習をオンラインで受けられるメリットもある。ところが、運送の現場では、ドライバーがマイナ免許証に切り替えたことで、免許証の目視確認による点呼が行えず、業務が一時停止する事態が発生している。
先日、ある運送会社で、ドライバーが免許更新を行った。そのことは会社も把握していたが、翌朝の点呼時に提示されたのは「マイナ免許証」だった。
マイナ免許証に記録される情報は、マイナ免許証の番号、免許の取得年月日及びマイナ免許証の有効期間、免許の種類、顔写真などで、これらはマイナンバーカードのICチップに記録され、マイナンバーカードの表面・裏面に免許に関する事項は記載されていない。
ドライバーが得意げな顔でマイナ免許証を差し出したが、運行管理者が、ときは面食らってしまったという。免許の有効期限などの確認ができず、点呼が滞る事態となった。
同社の社長は「マイナ免許証というのがあるのは把握していたが、点呼で免許の確認ができないという事態までは想定していなかった」と話す。
「マイナ免許証」が出てきたことで、免許証は3つの持ち方ができる。
1つは、従来の免許証のみを持つこと。2つ目はマイナンバーカードと運転免許証を一体化して従来の免許証を返納して、マイナ免許証のみを持つこと。
3つ目は.マイナンバーカードと運転免許証を一体化するが、従来の免許証も引き続き保有して、マイナ免許証と従来免許証の両方を保有するというもの。
ドライバーは、従来の免許証を返納し、マイナ免許証のみを持つことを選択した。もちろん、車を運転するときは、従来の免許証かマイナ免許証のいずれかを携帯すればよく、このことについてはまったく問題ない。
マイナ免許証の情報を確認する手段としては、マイナ免許証読み取りアプリ「マイナポータル」を通して把握することができる。これをインストールすることで、スマートフォンやパソコンで情報の確認ができる。パソコン版はそれに対応したICリーダーが必要となる。
しかし、警察関係者によると、「マイナポータルをスマホに読み込んで、マイナ免許証の情報をすぐに閲覧できるが、最初に反映されるまで、3~4時間かかる。反映されれば、すぐ閲覧できる」と説明。総務省と警察のシステムを連携するのに、最初はかなりの時間がかかり、スムーズにいかない事態も想定する必要がある。
マイナ免許証については現場での影響はさほど考慮されていなかったのか、現在、導入が進んでいる自動点呼機器についても、マイナ免許証への対応はできていないのが実情だ。自動点呼機器メーカーによれば、「現時点ではマイナ免許証には対応していない。今後の普及状況や業界ニーズを見ながら、対応するかどうかを検討していく」と、対応していないところが少なくない。
冒頭の事業者は、「マイナ免許証については国土交通省やトラック協会から対応についてといった通知が一切ない」と適切な対応を求めている。
全日本トラック協会では、「現時点では、マイナ免許証に関して業界としての具体的な対応方針は決まっておらず、協会内で議題に挙がったという話もうかがっていない」としつつ、「今後、マイナ免許証の普及が進み、現場での課題や要望が顕在化すれば、協会内の議題として検討される可能性はある」と話す。(3月2日号)
【写真】運転免許証の情報はチップに記録される