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トピックス itiran

道内300㎞を即日対応   北海道・いわべ物流(2026/03/04)


時間ちょうどに届けるサービスも

 北海道札幌市で事業展開する㈱いわべ物流(岩部俊社長)は、個人のお客さまをターゲットにした格安引越や北海道内の即日配送など、一般消費者を対象とするBtoC物流に力を入れ、業績を伸ばしている。

 岩部社長は現在36歳。もともと起業願望があり、11年前に軽貨物運送の会社を立ち上げた。起業の際には、持ち前の責任感の強さから、それまで勤めていた食品の製造販売会社を予定通りに辞められず、すでにまとまっていた小荷物を配達する業務が頓挫しかけるというトラブルを経験。
 当時、別の仕事に就いていた地元の友人2人を引き抜き、自社の手伝いをお願いすることで難を逃れた。(2人は現在、常務、専務という立場で会社を支えていて、当時の思い出は今でも笑い話になっているという)
 その後は、企業から請け負う配送業務にがむしゃらに奔走。資金力がついたことで、6~7年後には、一般貨物事業に参入するに至った。
 「他社がやっていない事をやろう」を合言葉に、企業の荷物以外の仕事にも注力。引越、個人向けの配達、文化祭の搬入搬出、企業のイベントなど仕事の幅を広げた。
主力事業の引越事業は「ピース引越センター」として展開。事業の展開にあたっては、業界の知識や専門用語を知らない一般のお客さまに、運賃をより分かりやすく透明化して明示することを心掛けた。

 「この車を一台頼むといくらですよ、作業員を一人増やすといくら追加ですよ、何市から何市へ行くならいくらですよ」といった明確な料金プランは、同事業の成功に大きく貢献した。
 わかりやすい料金プランはお客さまに伝わりやすく、オペレーターによる案内がスムーズになったことから、案件はほとんどが即決だった。一般の運送会社の垣根を超えた瞬間だった。
 同社がBtoCに大きく舵を切ることになったのは、一般貨物事業に参入した際、業界にはびこる、運賃を「叩いた者勝ち」といったダンピングの風潮に苦しんだ経験があるからだ。運送会社が安くこき使われ、用が無くなれば切り捨てられるといった状況の中で、横暴な荷主にへりくだるしかない日々は、「このままではいけない」と岩部社長を筆頭に、同社の社員たちを奮起させた。
 そのさ中で、大手運送事業者から単価が改悪されたことが決め手となり、「ぶら下がり」からの脱却を決意。一般貨物とBtoCの比重割合を変え、BtoCの推進に大きく舵を切ることになった。

 BtoCにおけるトラックの使われ方は、ユーザーによって千差万別で、当初想定していなかった方向にもニーズがあった。
 観光に来ているお客さまから「札幌市のホテルに置き忘れた荷物を移動先の登別温泉まで届けて欲しい」と要望があった際には、3時間以内に荷物の配達を完了。旅程の変更を回避できたと喜ばれた。
 クリスマスには、「プレゼントを当日まで家に隠しておけない」という声を聞き、おもちゃ屋から直接自宅に届けることでニーズに応える。
 大晦日に札幌市の有名料理屋から出来立てのおせち料理を釧路市まで運んでほしいというオーダーには、大手宅配業者なら丸1日かかる所を、同社は片道300㎞を即日で届けたこともある。
 また、お祝いの花を時間丁度に届けて欲しいといったオーダーも受け付ける。
 同社では軽自動車を、一般貨物(ハイエースから2トン・4トン)のトラックと併用し、荷量に合わせて柔軟に対応している。現在、自社保有台数は軽自動車を入れて80台。直接雇用の従業員は30名、パートナーと呼ばれる業務委託は50名ほどだ。
 岩部社長は、「BtoC物流のニーズは伸びしろはまだまだある。また、今まではお断りしていたが、引越に伴う不用品の回収、いわゆるリユース事業にも参入し、お客様の要望に応えていく」と話している。(3月2日号)

【写真】当日スピード配達のチラシ